論理思考トレーニング 目標設定が出来ないままでは無意味です。

こんにちは。
webマーケティングのコンサルタントをしていたじょせふです。
今回は論理思考における最も大事なポイント”目標の設定”についてお伝えします。
突然ですが、論理思考やロジカルシンキングと聞いて、なにを思い浮かべますか?
SWOT分析等のテクニックでしょうか。
それともロジックツリーでしょうか。
まず思い浮かべるのはおそらくこれら手段の話だと思います。
よくあるような論理思考系の本で扱っているのは大抵これら手段の話でしょう。
目標に向かって、どのように選択していけば効率的に最良の結果にたどり着けるのか。
どうやったら目標を達成できるのかと言い換えても良いです。
しかし、おそらく大抵の人は知識としては知りつつもビジネスでは実践できないはずです。
理由は簡単で、目標が定まっていないから。
行く場所もまともに決まってないのに、行き方なんて描けません。
論理思考では目標の設定が最も重要です。
目標設定ができれば手段はそんなに難しくない
実は手段の選択というのは意外なことに誰でもやってます。しかも無意識レベルで。
例えばあなたの家の最寄りのコンビニに行くとします。
最適な行き方はすぐ思いつきますよね?
徒歩でいつもの経路で。とか、車でとか。
ちなみになぜヘリコプターではだめなんですか?
それは費用も手間もかかるからですよね。
そもそもヘリコプターどこに駐めるんだとか、手間の割に効果が乏しいからだめなんです。
このように論理的に手段を選択する誰でもやっているんです。
目標がイメージできているから、それに最適ではない手段は瞬時に選択肢から外すことができます。
ヘリコプターではなぜだめなのか。
また、なぜその手段が最適なのかもわかるはずです。
では、なぜビジネスになると途端にできなくなるのか。
ビジネスになると途端にできなくなる
この理由は目標が不明確だからです。
コンビニと違って、
概念的にならざるを得ないビジネス上の目標はコンビニよりもずっと意識的に明確にしなければなりません。
残念ながら日本の教育では自分で目標を描くトレーニングをしないため、多くの人にこの能力はありません。
コンサルタントとして関わってきた経験から思うのは、一部上場企業の経営層ですらまともに適切な目標設定できてないということ。
役員であろうとも途中までそれっぽく戦略をまとめて、結局やるのは営業力の強化。
目標は絵に描いた餅でどこかぼんやりしている。
これでは確度の高い明確な目標が描けません。
確度の低い目標に対しては確度の低いが手段しかありませんから、結局なにも変わらない訳です。
確度が低いということは、つまり不明確な要素を含むため結局、アクションプランも導き出せません。
だから目標を確度が高く、明確な状態にすることが最優先となります。
目標の描き方
目標の描き方には大きく分けて2つのパターンがあります。
帰納法的方法と演繹的方法です。
簡単に帰納法と演繹法についてご説明致します。
帰納的方法
帰納法とは、複数の事実から結論を抽出すること。
こんな感じです。
- Aさんは〇〇だ。
- Bさんも〇〇だ。
- Cさんも〇〇だ。
- ゆえにDさんも〇〇である。
このように共通の事実から結論を導き出します。
例えばこんな使い方です。
- Aさんは月平均100万円の売上がある。
- Bさんも100万円。
- Cさんも100万円。
- ゆえにDさんは100万円の売上が出せる。
演繹的方法
演繹法とは、一般論や普遍的な事実から結論を推論すること。
こんな感じです。
- 一般的に〇〇は●だ。
- Aさんは〇〇だ。
- ゆえにAさんは●である。
このように一般論を前提に結論を推測します。
例えばこんな使い方です。
- 一般的に5年目社員は100万円の売上が出せる。
- ABCDの4名は今年5年目になる。
- ゆえにABCDの4名は今年一人当たり100万円の売上が出せる。
これらを使うと目標が正確に描ける
これらの論理を使うことで確度の高い目標が設定できるようになります。
思考の浅い人がひねり出した願望ともとれる目標ではなく、根拠に根ざした確度の高い目標です。
企業活動においてリソースは常に有限ですので、
根拠の乏しい目標を掲げられても、
頑張ってどうにかなるレベルかどうか判断できません。
ここまでのお話でおそらく、こう思う人がいるでしょう。
過去平均の延長線上に目標設定なんてあり得ないと。
ビジネスではそんなぬるい目標設定なんてできない。
当たり前です。
現状から考えて変化しない目標なんて許される訳がありません。
でもこの確度の高い目標設定ができれば、
どの程度負荷を強めるか、またそのための現実的なアクションプランも容易に出てきます。
なぜなら目標の設定段階で、すでに論理思考に基いた根拠のある想定ができているからです。
高い目標に置き換える
そのためには目標設定のステップを逆に戻れば良いんです。
上述した例で考えます。
ABCDの4人の部署の月の売上目標を立てるとしましょう。
帰納法では一人当たり100万円稼げる訳ですから、単純に400万円はいけます。
これは確度が高いけれども、上昇の見込みのない目標です。
ここからどのように負荷を強めるか。
答えは因数分解です。
部署目標の400万円の決定ステップを思い出してください。
逆にたどると下記のように分解可能ですよね。
- 部署目標=人数×平均売上
- 平均売上=年間売上÷12ヶ月
- 年間売上=顧客数×成約率×単価
1に関しては人数を掘っても良いのですが、話が深まらないのであえて平均売上を伸ばす方向にしました。
こうやって深ぼっていけば伸びしろがわかります。
伸びしろの探し方:選択と集中
選択の方法
あれもこれもやると結局なにも効果的な結果に繋がらないので、
インパクトの大きそうな変数に注力するのが一般的です。
選択方法としては計算するだけ。
仮に各変数が10倍とか大きく上振れしたと仮定した場合に、どの項目が利益額に一番影響するかは計算できますよね。
それと変化のしやすさの2つの基準で優先度つければ後はやるだけです。
集中の具体的アクション例
これも簡単です。
例えば、
顧客数に伸びしろがありそうならば、市場開拓に注力すると売上が20%程度増えそうならその20%という数値を公式に代入して目標を設定すればいいんです。
また成約率に3%分伸びる余地があるなら、それを代入するだけです。そしてなぜ伸びる余地があると考えたのかをたどれば何をやるかはでますよね。
演繹法でも筋道の立て方は同じです。
前提となっている変数(根拠)のうち、伸びる余地のある項目に伸びる数値を代入して計算、あとは根拠を辿って注力すれば良いだけです。
多くの企業は実際できてない
多くの企業では達成できない目標に四苦八苦しています。
これは当たり前です。
確度の乏しい、もしくは前提が危うい根拠から目標を設定しているからです。
何がどうなってこの数値になっているのか。
その数値は現実的か。
なぜ上がる予測が立つのか。
ここが大事です。
もしあなたが適切な目標を設定していない会社にいるなら転職をおすすめします。
もっと具体的どうやったら適正な目標が描けるのか
ここまで読んでいただいたあなたに1冊だけオススメの本をご紹介いたします。
論理思考を使った手段の描き方のトレーニングではなく、
論理思考の大前提となる目標の設定方法。
どうやったら適切な目標が描けるのか、
その点を細かく解説している書籍です。
説明した通り、
行く場所がわかれば自然と最短経路が描けます。
ここは誰もがいつもやっていること。
最短となると少し練習が必要かもしれませんが、本書の内容ができるようになれば少なくとも道に迷うことはなくなります。
どんな仕事でも効率的に目標を達成する必要があるかと思います。
そのためには小手先の論理思考テクニックを学ぶ前に、目標の設定ができるようにトレーニングすることをオススメいたします。
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