書評:『中国人の心理と行動』 異文化理解の助けにどうぞ。

中国といえば異文化理解において、非常に難易度が高い国として有名ですね。
下のツイートなんかでも取り上げられましたが、日本のみならず諸外国でも理解に苦しんでいる模様。
ラージャオ@rebelpepperwangと唐辛子小姐の新作です。テーマは炎上した中国人観光客スウェーデンホテル事件とテレビ番組の「中国人大便禁止」>スウェーデン中国人観光客「差別事件」で、中国が支払った代償|風刺画で読み解く「超大国」の現実|ニューズウィーク日本版 https://t.co/arLKS26D5k
— nagaoka yoshihiro (@nagaoka1969) 2018年10月11日
もちろんグローバルスタンダードな了見を持った中国人も多いことは認識していますが、振れ幅が大きく、特に中国人労働者を雇おうとか思っている人はなかなか意思疎通ができずにお困りかと思います。
僕もたまに中国人と関わるのですが、どうもうまくコミュニケーションが取れず、それどころか圧倒的押しの強さに困惑してしまうことが多い。
そんな悩みを解決すべく読んだのが本書。
出版は2001年とかなり古い書籍。
古いだけあって中国も変わってきているんだろうなと思う側面はありますが、根本的な思想習慣の把握にはすごく役立ちました。
著者自身も多くの中国人と接してきた経験、そして多くの聞き込みから解説しているため内容が理解しやすい書籍です。
本書の流れ
本書は大まかに構成はこんな形。
- 中国人と日本人の意識のギャップの共有。
- 中国人の行動傾向に影響する3要素(面子・関係・人情)をそれぞれ紐解く。
- 中国社会における権力構造を解説。
具体的事例の多さが特徴的な書籍。
本書は著者が社会学者だけあり現場での聞き込みなど足を使った情報が豊富です。
そのため概念的になりがちな社会学という側面をうまく具体に落とし込めている感があります。
日本人が中国人労働者を雇った場合のトラブルや、ビジネス相手としての交渉面でのトラブルなど単純に読むだけでも興味深いです。
ストーリー立てて細かく詳細を説明しているので非常に好奇心を刺激します。
中国人の行動理解に苦しむビジネスマンに向けて、オススメいたします。
内容が古いものはありますが歴史的な観点から論理展開されているので違和感を感じることはありませんでした。
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