「書籍 心理の基礎」教科書はやっぱり良い。心理学概論

学校の教科書。
それは多くの学生にとって睡眠へと誘う魔導の書。
そう。あれは僕が中学生の時の話だ。
当時の僕は勉強が大嫌いで、どうにかして勉強せずにいられるようにと策を講じていた記憶がある。親には熱っぽい、熱があるなど適当なことを言ってはサボってゲームへ没頭。
深夜までゲームをしすぎて本当に体調を崩してしまうことさえあった。(当時ハマっていたのはメタルギアソリッド2。とても楽しかった。)
何で教科書はこれほどまでにつまらないのだろう。
そして勉強はなぜここまで面倒で苦痛なのか。
当時の僕には勉強、そして教科書に拒否反応しかなかった。
そんなある日、僕は下校中に初老の不思議な男性にあった。彼は無言で追いかけてきて人気がない路地で肩を叩いてきた。恐る恐る振り返ってみると、まるで漆を塗ったように黒光りする顔の老人がじっと見つめてきた。
僕は半ば諦め気味に声をかけた。
「なんですか。」
初老の漆顔は無言で手を差し出し、目の前で手を広げた。
よく見ると手の中には飴がある。
僕は言った。「くれるの?」
静かに頷く漆顔。
僕に飴を受け取った。
そして漆は何も言わずに立ち去った。
帰宅後、僕は怪しさしかないその飴をすかさずゴミ箱へ捨てた。
しかし、僕の気持ちは怪しさを押しのけ、こんな感情へと誘う。
『こんな不思議な人から不思議な飴をもらえる僕はきっと特別な存在なんだろう。』
時は経ち、今では僕が怪しい人。
こんな僕から飴をもらえる人はきっと特別な存在なんだろう。
、、、、ってこんな話をしたい訳ではありません。。。
さて、本日ご紹介したいのは、心理学概論(小川芳男 2012)。
看護学校を卒業した友人から半ば強引に押し付けられた教科書だ。
勉強が嫌いだったこともあり数年放置していたのだが、心理学に関するブログを始めるにあたり気になったので読んでみた。
教科書なんてどうせつまらない。固い。飽きて眠くなる。そんな感情でいっぱいだった。
しかし、読み進めていくうちに、僕の嫌悪感は音を立てて崩れた。
- 学生向けに作っているからか、内容は平易で言葉も選ばれている。
誰でもわかるような事象と専門用語と結びつけているので、理解しづらいということはまずないかと思います。
むしろ、言われてみればそうだよなぁと思う事象を詳しく解説してあるので、心理学的研究ってこうなんだなぁっていうのが理解しやすいです。
もちろん教科書なので目新しい内容はあまりないですが、その分内容は理解しやすいです。
- バイアスが含まれていない。
教科書として使われているので著者の主張が少なく、内容に偏りがないのも良い点です。
諸説ある概念についてはきちんと有力な説が複数書いてあり、理解の幅が広がります。
この分野ってどうしても著者の考え方が反映されやすく、何かの本で最初に知った概念をそのまま定説だと認識しがち。
だからこそ、こういうのを一つ読んでおくと他の本を読むときにも役立つ。
- 何より心理学における基礎が網羅されており、本書読まずして心理に関する本や文献を読むのは浅はかだったと後悔した。
これを初めに読んでおけば理解しやすかっただろうに。
僕は人が何で考えるのか、どうしてこういう行動しちゃうの?とかいうのが好きなので、自分が好きな領域とそうじゃない領域が分けれました。
目から鱗とはいかないですが、今までなんとなく理解してきたため、心理学を網羅している本書はとても新鮮に感じました。
本書は心理とかちょっと興味あるんだけど何から始めたら、、、とかいう方にはもちろん、企業の管理職の方にもオススメです。
- 特に最近はコンプラとか厳しいですから、うつ病とかその周辺の知識を持っているといざ部下がなった時などに適切な対応しやすいと思います。
僕がパワハラでメンタル壊れたことあるので、お願いです。笑
うつ病は原因がはっきりしていないだけで脳の病気です。
なった人はわかると思いますが、動けないんですよね、、、。僕も病気になる前は心の病気なんだなぁとか、ちょっと疲れたんだなぁとか思ってたんですけど、これ心とかいうどこにあるかよく分からない抽象的なものではなく脳の病気です。
表現しにくいんですが、、、スピーチとかで緊張すると身体が震えたり、固まったりすることあるじゃないですか。あれをめちゃくちゃ強めた感覚です。
ある朝目覚めると身体が硬直したり痙攣して、足がガクガクしてまっすぐ歩けないこともあったり、理由もわからずに突然異様な恐怖感に襲われたりとか。
話逸れましたが是非、心理に興味ある方とか管理される方とかに一読してほしい一冊です。
◇リンク
小川芳男著
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