書評「マインドコントロール」怖さを感じる事例の数々

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オウム心理教は本当に怖いですよね。
死刑が実施されて久々に聞きました。
sho~ko~sho~ko!shokoshokosho~ko~
当時はまだ子供で覚えてなかったんですけど、どうやら毎日歌っていたみたいです。笑

マインド・コントロールとは何か (西田公昭1995)

本書との出会い

書店でぼんやり歩いていて、ふと手に取ったのが本書です。

マインド・コントロールとかカッケェ!
うざいお客さんコントロールしたい!

と思いながらレジに持っていきました。

面白いのなんの!!!

悪用禁止ってこういう心理×ビジネス系の本によく出てきますよね。
心理学テク使ってマーケティングしてる割に、自己啓発本レベルの本が多いので無視してきました。

しかし、本書は違った。

マインドコントロールを実践しろと言ってるようなもの

本書の構成は下記の流れで展開されていく。

  1. 事例
  2. 分析
  3. 理論解説

一方、冒頭で述べたようなつまらない本は、事例も分析もすっ飛ばして、理論だけ提示する。
だから本当かどうか納得できないし、受け売り程度の知識で終わってしまう。

ここが本書とそのへんにあるつまらない本との違いです。

被害者の気持ちがわかる本

マインドコントロールは特殊なケースだと思いませんか?

私もそうでした。
でも本書の事例で出てくる登場人物って自分とそんなに違いがない生活をしていたりします。

そのはずがボタンを一個掛け違えたレベルのズレからマインドコントロールは始まるんです。

ゆっくり、徐々にズレを大きくしていくのがマインドコントロールの怖さなんだなと思いました。

ビジネス 交渉での利用も想定した内容

おそらく著者もどういう人がマインドコントロールの話題に興味を持つかわかってます。
だからビジネスに使えそうな微妙な話も多い。

マインドコントロールの始まり

こんな言葉が出てきます。

明確に意思を持っていないことは周囲の影響を受けやすい。
どういうことかと言うと、

例えばプレミアムモルツが欲しい!と思ってコンビニにいく人は大抵、プレミアムモルツを買う。

しかし、なんとなくビールが飲みたいなぁプレモルがいいかなぁくらいの気持ちでコンビニに行ったらどうなりますか?

    友達が明日仕事早いからコーラでいいやって言われたら。
    ダイエットしてるからハイボールにする。
    お酒って脳に悪いらしいよ。
    キリンラガー10%offセールです!

もちろんプレモル買う人もいますが、一瞬迷いませんか?

マインドコントロールのきっかけはこのレベルのことから始まります。

ビジネスの交渉で想定してみる。

上記の例で私が示したいのは、

ぼんやりとした意志は操作される。

ということです。
これでぱっと思いつくのは迷ってそうな人にオススメするとかですが、
現実のビジネスシーンではそんな簡単に受注できません。

こんな露骨に隙を狙ってくる人なんて信用できないです。
そうではなく本当のマインドコントロールは、外堀から固めてくる。

どうでもいいような決定、

例えば、個人営業ならお菓子持ち歩いてどっちかあげるとか、法人相手なら緊急性のない納期の日にちの誘導をするとか。

こういった日々のどうでもいい選択を奪っていく。
そして馴染んだ頃に、ゆっくり強度を強めていく。簡単に言うとマインドコントロールのやり方ってこれなんです。

マインドコントロールからの脱出

一度、コントロールされるとなかなか抜け出せません。
マインドコントロールでなにかしてやろう!と思っている人は本書を最後まで読んでから決めることをおすすめします。


(西田公昭1995)