「書籍 脳・心理」”ぼんやり”という機能

NO IMAGE

こんにちは。

じょせふです。

本日、ご紹介する本は『意識と無意識のあいだ 「ぼんやり」したとき脳で起きていること』(マイケル・コーバリス 2015)です。

メインテーマとなっているのは、”ぼんやり=マインドワンダリング”

本書は途中で飽きて上の空、どうしても集中力が持続しないという方に是非読んでほしい一冊です。

自分の新しい才能が発見できるかもしれません。

そもそもマインドワンダリングとは何か。

マインドワンダリングとは、過去の記憶を思い出したり、未来を想像したりして、今の状態とは違うことを考えている状態である。(引用:ハートフルライフカウンセラー学院 カウンセリング用語より)

例えばこんな状態のことです。

学生時代のつまらない授業を思い出してください。

ふと気づくと授業が耳に入っておらず、ぼ〜〜〜っとしていたという経験はないでしょうか。

気になる異性との妄想してたりとか。

この「気付いたら別のことを考えていた」状態をマインドワンダリングと呼びます。

マインドワンダリングは自然淘汰の過程で発生した現象であるとの説を提示しております。

詳しくは後述しますが、

種として生き残るにあたり、現実に起きてもいないことをあれやこれやと想像している種の方がそうではない種に比べて、生存に適していた訳です。

でなければとっくに、ぼんやりする種は絶滅し、ぼんやりしない種が残っているはずです。

マインドワンダリングによる効果とは

マインドワンダリングは、

起こりうる危険を想像し対処する機会

を種に提供したのです。

現代では危険こそ減ったものの、マインドワンダリングは寓話を作ったり、他者との共感に活用できたりといった”想像力”を種に提供しています。

ぼんやり癖保有者に兆しが!!

先生!ぼんやりしている学生を止めないでほしい。

ぼんやりしている最中は想像の窓を開けようとしているところなのです。

”マインドワンダリング”は必ずしも悪いことではなく、むしろ想像力が活発になっている状態です。

マインドワンダリングし続けることで、自分でも信じられないほどの想像力を発揮する可能性があります。

(じょせふ所感)心のままにすることもたまには良いのではないだろうか。

ぼ〜〜っとすることは集中力のなさの表れであるという一般論に対する反抗。

これからの社会、ミスなく作業するだけの仕事はロボットに間違いなく置き換えられるんじゃないかなと思います。

そのような時代に必要なのは、

マニュアルに則り完遂する人間ではなく、マニュアルそのもの、またはさらにその後ろにある指針を打ち出せる人間

このようなことも推察できてしまうのが本書の素晴らしい点です。

ぼ〜〜っとする自分に気づいたら、どうにかそのままにさせてあげるのも楽しいものかもしれません。

※本著を読むにあたって1つ注意点があります。

各章、起承転結で書いてあります。

読みにくいので、各章の最終段落を先に読み、マインドワンダリングとの関係を理解してからその章の頭から読むほうが理解しやすいと思います。


◇リンク

(マイケル・コーバリス 2015)