「論文 ビジネス 心理」オープンオフィスという幻想

オフィス設計に営業として携わった経験がある。
デザイナーを連れてユーザーとの打ち合わせに訪れた際、空間デザイナーはこう言っていた。
人とのコミュニケーションを活性化させるためにオープンなフリーアドレスにしましょうと。
注
オープン・・・遮蔽物により遮られていないこと。
フリーアドレス・・・固定席がなく好きな場所で作業できるオフィス。
ユーザーも当たり前とばかりに話を進める。
当時の僕は疑問だった。
本当にそうなの?僕だったら遮蔽物の有無に限らず話なんてしないけど。
つかそもそも、コミュニケーションをただ増やしてなんの意味があるんだ。
こんな話を事前にしとけば良かっただろう。優秀な営業は事前にコンセンサスとってる。堕落した営業マンにとってそんな手間かけたくなかった。
客先で内部分裂するわけにも
行かないので帰路にふと聞いてみた。
デザイナーはこう言った。
デザイナー : 障害ないんだからコミュニケーションは増えるでしょ。普通にコミュニケーション増えたほうがやりやすいし、新しいことうまれるじゃん。普通に考えてわかるでしょ?と。
僕 : (なんだこの上から目線。)
でも根拠なくないっすか?
デザイナー : 誰から見ても当たり前じゃん。根拠とかじゃなくて。想像してよ。
僕 : 僕からしたら当たり前って思えなくて。気になってしまって。すみません。
デザイナー : 調べてみ。どこの会社も同じようなこと言ってるよ。
僕 : 「オープンオフィス イノベーション」検索っと。。。あっ本当だ。
デザイナー : でしょ?
ここでデザイナーとは別れた。
しかし疑問は消えない。
どこも根拠ない。
あの野郎。。。
こう思ってこの論文を読んだ。
(出典リンク先
英王立協会 学術論文誌『Philosophical Transactions of the Royal Society B』)
オープンオフィスはワーカーの会話を70%低減させ、メールでの会話を増やす。みたいだ。
さらに被験者側の企業からは仕事の質の低下も見られると評価がある。
日本語で取り上げられている記事もあるので参照してみてほしい。
(出典リンク先 : 合同会社コンデナスト・ジャパン発行WIREDより)
物理的な障害がなくなることでコミュニケーションも減る。僕も同じ考えだ。
落ち着かないし、そもそも別に話しかけたくなければ見えようが見えまいが話しかけない。
そしてなにより、仕事してんじゃあああ!集中してるときにどうでもいいことで話しかけてくんなああああ!と思いつつ笑顔で反応する。
ニュースでは日本人ではどうなのだろうか。と後書きがある。
間違いなく、日本人ほど顕著だと思う。
日本人は得てして内向的だとよく言われるし、ぼくもそう思う。会社員になるタイプは特にその傾向が強い。
そもそも社内で「イノベーションを起こさせるためにコミュニケーションを活性化」という理論は破綻してる。
なぜなら社内でどうにかなる問題は解決されてるはずだし、こんな閉塞感はないはずだ。
今後の働き方で重要なのは、そうではなくて、社外とのコンタクトを増やすこと、オフィスは集中する場としての役割に最適化した方が良いと考える。
社外コミュニケーションを増やすためには副業解禁が有効だろう。
しかし副業解禁しても仕事に忙殺されやる、そこまで手が回らない人が大半だろう。
しかしその人達は(冷たい言い方だが)どちらにせよやらないだろうから、意欲を持つ能力の高い人たちが動けるようにしてあげるべきだ。
全員が創造的である必要はない。
話がそれだが、より多くの人にとって少しでも集中できる環境をつくるべく、
本研究の日本への波及を期待したい。
この記事を読んだ方はぜひこの内容の拡散をお願いします。
間違った論理で作られる無駄に金のかかるオフィス計画やめさせましょう。
(注 わ、、、わ、、私個人の私怨では決してありません。)
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