「大学受験における勉強法」独学者へ向けた小論文の書き方

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第2回目。

独学勉強の仕方についてのお時間。

pv数が思ったより高かったのでちょっとやる気出ました。

今回は小論文の書き方について。下記の流れで進めていくよ。

1・そもそも論文って何よ。小説とどう違うの?っていう全体像から入って、

2・ざっくりとした全体の構成の仕方や役割、

3・段落ってどうやって書くの?

4・どうすれば上手くなる?

目次

1.メインテーマ:小論文の構成

2.論文構成とは何か。

2−1論文と小説の違い ”起承転結は間違い”

2−2正しい小論文の構成は”主張・理由・結論”+例題・例文

3.例文解説

3−1主張

3−2理由

3−3結論

4.段落構成

4−1段落(パラグラフ)とは何か。

4−2パラグラフの作り方

5.上達のために

5−1とにかく考える。できれば書く。

5−2トピックセンテンスを意識して文章を読む

5−3作ったものは振り返る。

5−4一般常識程度の話についていけるように。

以上。

次回は慶應SFCの英語対策と参考書の紹介、常識の紹介くらいできたらなと思ってます。


前回のおさらい:わからなくても問題を解け。記憶の時間は無駄である。


1.今回のテーマ:小論文の構成

小論文を高校生に課す時点で、絶対高校までの教育課程なんてしらねぇって大学の姿勢が見えますよね。

出題内容だって明らかに、その辺の高校生が日常的に触れるテーマじゃないですやん。

政治だったり、社会問題についてのソリューションだったり、非常に多岐に渡る。

ということは逆に言えば、

どの学生も同じように、別にたいして詳しくないので一般常識さえ知っていれば及第点は取れるんですよ。

そしてその及第点として重視されるのが論文の構成。

これが一要素になっているのは確実です。

なぜなら大学教授って当然、論文読みまくり、書きまくりの人種です。

採点しているのは彼らですから論文の作法に則って書けば、少なくとも彼らにちゃんと読んでもらえる論文は書けるわけです。

忙しいなか採点しますから、全部なんて読まないですよ。

読む価値の有り無しというフィルターがあって、内容はその先です。内容もも主張の奇抜さより、筋の通った主張かどうか、が重要。

とにかく読んでもらえるためには、内容よりまず構成。

そして論文の構成って便利で、重要な段落を見つけて1、2文くらい読めば大体、読む価値ありかなしかくらいはわかるんですよね。

その重要な箇所がよく分からない時点で、意味不明という評価。つまり点は取れません。

これは今回紹介する内容でOk。

最低限意味は伝わるようにするためにも、構成はすでに決まっているので整理して書きましょう。

これが論文作成における大前提です。


2.論文の構成とは。

2−1◇論文と小説の違い ”起承転結は間違い”

たまによくわかってない人が「文章は起承転結で書くんだよ」って指導することがあります。これは絶対に間違いです。

小論文を起承転結で書いたら、英語か数学満点とっても落ちるかもしれませんよ。

なぜ間違いか。

それは起承転結は小説に使う構成だからです。

そもそも小説と論文の役割って全然違うんです。

論文とは、端的・かつ論理的に相手に情報を提供するのが役目

小説とは、どうなるのか分からないワクワク感といった過程を楽しむのが役目

つまり、小説は最後まで結論言いません。そっちの方が面白いから。

一方、論文は最初に結論を言います。そっちの方がわかりやすいから。

だから結論最後まで明かさない”起承転結”を論文に当てはめるのは大間違いなんです。

2−2◇正しい小論文の構成は”主張・理由・結論”

これだけです。

これを段落分けて書いてください。

研究論文だと最初に全体の概要を書いたり、研究手法の説明とか色々入るのでもう一つ大きい概念構成(序論・本論・結論)から考えた方が良いのですが、

小論文の場合は”あなたはどう思うか。”を問われているだけなので、その問いに対する答えの提示ができるこの構成だけで大丈夫です。

まず参考として簡単な文章書きますね。

問い:あなたは高校において、smartphone及びiphoneといった携帯通信端末の持ち込みに賛成か否か。

近年、学習を阻害する要因として携帯通信端末の弊害が取り上げられている。授業を聞かずに遊ぶ学生多く、学生の参加姿勢改善のためにも持ち込み禁止にした方が良いのではないかという意見がある。

一方、通信端末が現代の生活において必須という考えも聞いている。あなたは持ち込み賛成か、反対かその論拠とともに示せ。

答え:※解説のため(1)等の振番をしている。

(1) 私は通信端末の持ち込み賛成である。私がこのように考える理由は二つある。一つは端末の制限は課題解決にならないこと。二つ目は端末によるメリットの大きさにある。

(2) まず1つ目として、授業の障害となっている問題は通信端末の禁止をしても根本的な解決はできないということだ。なぜならこの問題の本質は通信端末そのものではなく、教師の能力不足に一因がある。実際予備校では通信端末を持っていようが全員講義を聞いている。また通信端末がなかった時代も、現在と大した違いはなく、鉛筆や消しゴム、落書きで遊ぶ学生がいた。これらを考慮すると、通信端末がなくなっても学生の参加姿勢は変わらないものと推察される。

(3) 2つ目は通信端末活用によ授業の質向上へのメリットが大きいことだ。例えば慶應義塾大学では、授業専用のハッシュタグを用意し、SNSを介したインタラクティブな講義を実現している。これは旧来型詰め込み学習に対するブレークスルーともなり、また教師においてもリアルタイムで自身の授業へのフィードバックが得られる点でメリットが大きい。さらに何より学生にとって、他の学生思考に触れ、想像力の幅を広げるきっかけとなることも期待できる。このように通信端末は更なる学校教育の発達に不可欠なツールなのだ。

(4) 以上の2点の理由より、私は通信端末の持ち込み賛成である。通信端末の導入によってより革新的な教育が実現され、これからを背負う若年層がこの鬱屈感の強い日本社会への突破口を切り開いてくれることを期待したい。


3.◇解説

参考までに書いてみた。

各段落ごとに、主張(1)・理由(2)・理由(3)・結論(4)となっている。

3−1主張

:この段落では自分の主張、最低yesかnoかの意思表示が出来れば良い。

3−2理由

:なんでそうなるのか。理由を示す。ここで重要なのは100%を目指さないこと。小論文では文字数と時間に制限がある。この文字数で論破することは不可能なのである程度は許容する。自分の主張に筋道が通っていれば良い。

例えばこういう論理展開だ。イチゴが好きではない人間には納得いかないだろうがあくまで筋は通っている。

主張:イチゴは子供に好まれる。

理由1:大半の子供は甘いものが好き。

理由2:イチゴは甘い。

理由3:確かに甘くないイチゴもある。しかしそれは未完熟なため、そのような未完成なイチゴは例外である。

理由4:・・・・・

よって子供はイチゴを好む。

ちなみに、この理由の部分は文字数に合わせて1つでも3つでも構わない。

3−3結論:

今までのまとめだ。な?言っただろう。僕の主張が伝わったか。ということがわかれば良い。

ボリュームもあまり入らないが、出来れば今後の展望。

例えば本文でいうところの

(4最終文)

これからを背負う若年層がこの鬱屈感の強い日本社会への突破口を切り開いてくれることを期待したい。

あたりの言葉があると文章の先が見える。論文では後続研究などの期待を書くことも多いため入れておくと良い。


4.段落構成

段落構成というのは特に論理的な文章を書く上で必須の要素になっています。2−2の例文で書いた(1)(2)(3)(4)が一つずつ段落(パラグラフ)です。ここではパラグラフとは何か、そしてパラグラフを書くために重要なことを書いていきます。

4−1段落(パラグラフ)とは何か。

パラグラフとは文章のまとまりのことです。

例えば英語の文章や国語の授業でも小説じゃない文章読むときに目にしたことがあると思います。

小説だと必ずしも定められた段落の使い方をしているわけではないので別と考えてください。

重要点 1つのパラグラフで言いたいことは1つだけにする。

例えば例文を見てください。

(3) 2つ目は通信端末活用により授業の質向上へのメリットが大きいことだ。例えば慶應義塾大学では、授業専用のハッシュタグを用意し、SNSを介したインタラクティブな講義を実現している。これは旧来型詰め込み学習に対するブレークスルーともなり、また教師においてもリアルタイムで自身の授業へのフィードバックが得られる点でメリットが大きい。さらに何より学生にとって、他の学生に思考に触れ、想像力の幅を拡げるきっかけとなることも期待できる。このように通信端末は更なる学校教育の発達に不可欠なツールなのだ。

この例文で言いたいことは

通信端末活用により授業の質向上へのメリットが大きいからだ。

この一文です。他はそれを補足的に説明しているだけです。

4−2パラグラフの作り方

通信端末活用により授業の質向上へのメリットが大きいからだ。

この一文をトピックセンテンスと言います。トピックセンテンスとはそのパラグラフで最も言いたいことを表した一文。通常冒頭、もしくはどうしても事前説明が必要な時のみ二文目に来ます。

小論文を書くときには

①各パラグラフのトピックセンテンスのみを一度書きます。例文を分解してみるとこうなっています。

(1) 私は通信端末の持ち込み賛成である。

(2) まず1つ目として、授業の障害となっている問題は通信端末の禁止をしても根本的な解決はできないからだ。

(3) 2つ目は通信端末活用により授業の質向上へのメリットが大きいことだ。

(4) 以上の2点の理由より、私は通信端末の持ち込みは賛成である。

②肉付けをする。ここが力の見せ所。トピックセンテンスの意味が理解できるような例や根拠を示してください。

上に書いてある内容以外は全てお肉です。ですがなけれれば伝わりません。

③全て繋げて完成。

小論文の構成はこれだけです。


5.上達のためには?

5−1 とにかく考える。できれば書く。

自分の思ったことを論理的に構成してみる。

3章目であげたイチゴの例みたいに、当たり前の主張でも構わない。文字数も少なくて良い。ただしちゃんと理由付けと結論、今後の展望を設定すること。

こういったトレーニングが効果的。

朝起きてトイレにこもっている五分をこれに使おう。例えばこんな文章誰だって考えられるだろう。

主張:今朝はいつもより、特におしっこがしたい。理由は2つ想定される。

理由1:昨日、お茶を飲みすぎたせいだ。お茶には利尿作用がありおしっこの排出を促す。

理由2:起きるとおしっこがしたくなるのは寝ている間に水分も消化されるからだ。昨晩水を飲みすぎた。

主張:以上の理由より、僕はおしっこを排出したいのである。僕の膀胱が限界を迎える前に、早く父がトイレから出ることを願う。

文字数はなんとなくわかるようになるので大丈夫。とにかく重要な主張を言えるようにしよう。

5−2 トピックセンテンスを意識して文章を読む。

これは速読にも通じるし、英語や国語の文章を読む際も無双できるので是非、意識した方が良い。

逆に言うと、トピックセンテンスがわかったらその中身を詳しく読む必要はない

英語や国語は時間が足りない場合も多いだろうが、トピックセンテンスだけ読んでいけば足りないことはない。そうやって全体像をつかんだ後に、問題をちまちま解いていって、もし必要があれば中身の部分を読む程度の方が解くスピードは上がる。実際、僕はセンターだろうが私立だろうが英語と国語は時間がかなり余った。

ちなみにだが、トピックセンテンスが抜き出せれば慶應の小論文のタイプ、

まとめ型と主張型のうち、まとめ型についてはもう並べるだけで回答できる。これですでに得点可能レベルだ。

参考までに僕が使ったトピックセンテンスを意識した参考書を紹介しておく。

英語の勉強にもなるし、小論にも使えるし、国語にも効果ありと一石三鳥。

著者の西きょうじさんの参考書はデザインも面白くてやる気出るし、内容もなかなか良いです。

5−3振り返る。

書いて書きっぱなしではダメだ。それでは意味がない。

書いたら、僕に雑にメール(joseph000blog@gmail.com)送ってきても構わないし、高校の国語の先生に見てもらってもいい。(さすがに文章の読み書きは慣れてるので問われれば的確な答えが返ってくると思うんだ。)

5−1のおしっこの例題みたいのはツイッターで僕につぶやいてくれれば適当に返します。(@marcuryJr)

または周囲の友達に聞いてみても良い。

それで意味が伝わるかどうか、聞いてみて欲しい。

伝わらなかったら修正。伝わる文章を書こう。

5−4 慶應の場合はある程度、TVに出てくる話題くらいの一般常識見につけましょう。

そのためにおすすめな本やアプリは追って紹介します。

とりあえずニュースアプリ何かとって、気になる話題見てください。

ちなみにあんまり難しく考える必要はありません。

だいたいの前情報は出題と一緒に書いてあるので。

ではまた次回お会いしましょう。

次回は慶應SFCの英語対策と参考書の紹介、常識の紹介くらいできたらなと思ってます。