「ビジネス 病室への提案」スマートスピーカーが未来を作る。

スマートスピーカーが未来を作る。
僕はそう思っている。
そもそも家庭用として販売されたものではあるが、僕は仕事で特別室の改修に伴いこのスピーカーを提案した。
なぜなら患者の特性とスマートスピーカーの親和性が非常に高いからだ。
実際に提案した際、圧倒的に印象が良かった。
僕は考えれば考えるほどこのデバイスが病院業界に大きな変革をもたらす可能性があるのではないかと思ってしまう。
今回は当時の提案の経緯やそのメリットについて考察していきたい。
そもそもスマートスピーカーとは、
amazonのalexaやGoogleのGoogleHome、LINEのClova、appleのhome podなど、スマートスピーカーと呼ばれるデバイスのこと。
家庭に”何でも知っている・超優秀な専属の執事がいる”と考えていただけるとイメージしやすいだろう。
下記のような製品群のこと。
さすがアメリカ企業が主導しているだけあり、デザインはとても優れている。
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何ができるの?
会話だけでインターネットを使いこなせる。
インターネットと繋がったこのスピーカーは話しかけることで例えば、
- インターネットでの検索
- 音楽等の再生
- メモやメール、電話
- ニュースを聞いたり天気を聞いたり
- テレビやエアコン、電気などの操作
- amazonでの購入*amazon echoのみ
- 雑談etc
が簡単にできる。
スマホを使って、スピーカーとネットを繋げれば、それ以後煩雑な操作は一切必要ない。
そして、やることはただ一つだけ。
家族に話しかけるように、話しかける。
まさに近未来の実現だ。
僕よりもはるかに有能だぞこいつは。
例えば
「じょせふ!今日の天気は?」
と聞かれても「ググれカス。」
としか言わない。
一方、スマートスピーカーに聞くと、
「今日の東京の天気は晴れ。気温は最高気温30度、最低気温は27度となる見込みです。」
文句を言わずにちゃんと答えるんだ。あまりに優秀すぎないか?
普及してるの?
答えを言うと、これから伸びると予想される。
amazon、google、appleとアメリカ屈指のIT企業がこぞって参戦してることがその証明になるだろう。
アメリカでのスマートスピーカーの状況
スマートスピーカーは米国で人気に火が付きかけている状況だ。
実際にアメリカでは下記のような統計結果が出ており、その将来性が見て取れる。
半数以上が定着リピーターとはビジネスにおいて相当な衝撃のはずだ。
65%のオーナーはスマートスピーカーなしの生活に戻りたくないと回答した。
18歳以上のアメリカ人の16%、およそ3,900万人が所有している。(出典:Edison Research 2017年アメリカのスマートスピーカーの利用調査)
この結果を見ると、思ったよりと高くなくない?と感じた方もいるかもしれない。
しかし、これは高齢者を含めた数字だ。
参考までに高齢者がどれほどネット環境を使っているか調べてみた。
18歳から64歳までは平均して70%程度にも関わらず、65歳以上の高齢者における設置率は45%程度。
(根拠:ガベージニュース 米国でもゆるやかに進むパソコン離れとスマホ依存)
おじいちゃん達ネット使ってないやんけ!!w
ネットがなければスマートスピーカーは使えない。。。
これ故に全体の数字が下がってしまっている。
でも実際のところ、僕はこういった高齢者ほど使えるものだと思う。
どんくらいお金かかるの?
ネット回線がある前提で考えれば、初期費用が本体代金のみ。
1万円もしない。
機能を拡げたければ買い揃える必要があるが、それでもある程度のニーズを満たすのにせいぜいトータル2〜3万円程度だろう。
僕も購入。
僕が買ったのはgoogle home mini。
理由はデザインが好きだったから。
設定は10分足らずで終わった。
スマホで自分の情報をざっくりと入力したら、あとは話しかけるだけで良い。
何より感動したのは、
拡張性の高さ。
サードパーティ製のものをどんどん組み合わせていけば、一瞬にして普通の家がスマートホーム化する。
例えばchrome castを使えば、簡単にテレビのオンオフ操作やyoutubeやnetfilixの視聴が可能。
またnature rimo等のスマートリモコン(赤外線対応機器に指令が出せるリモコン)を使えばネットに繋がってないエアコンや照明など、あらゆる機器の操作が可能。
youtubeで見てみると自作スマートホーム化している人たちがたくさんいるので見てみると面白い。
簡単な操作
携帯すら持ったこともない90歳の我がおばあちゃんで実験してみた。
今までインターネットなんて使ったこともない世代だ。
僕:「ok google!テレビを付けて」と言ってみて。
婆:「ok google!テレビを付けて」
ついた。
それ以来、気付くとあれやこれやと話しかけ。
今では、僕のお金で買ったデバイスを誰よりも使っている。
見事に使いこなしていたおばあちゃん。
その姿に思わず笑いがこみ上げてきた。
今頃もおばあちゃんはぼやいているだろう。
ok google!!今日のニュースは?
ok google!!海の音を聞かせて!
ok google!!エアコンの温度を28度に設定して!
ok google!!電気を消して!
もう何でもありだ。
決しておばあちゃんがすごい訳ではない。
しかし、やってることはすごいこと。
このようにスマートスピーカーはユーザビリティに優れている。常軌を逸したほどに。
最近、スマートスピーカーと話してばかりのおばあちゃんは本人も意識せず、インターネットを使っている。
インターネットなんて触れたこともないおばあちゃんがだ。
言葉を替えるとこうとも言える。
スマートスピーカーはユーザーに、言語以上の知識を一切必要としない。
なぜなら喋るだけだからだ。
何かしらの障害を抱えない限り、喋ることはどの年代でも可能だろう。
それこそ2〜3歳〜100歳、いやもっと上まで。
たとえ動けなくても良い。目が見えなくても良い。手元が覚束なくても良い。
これほどまでにユーザーフレンドリーなデバイスが今まであっただろうか。
このスマートスピーカーによる感動は、
僕らのような世代よりも、はるかに上の世代にこそ劇的なものとなる。
僕は特別室への導入を提案した。
僕は前職でオフィスや病院・学校の空間提案をする仕事をしていた。
その中にこんな仕事があった。
病院のユーザー、特別室の改装という競合物件。
※九州にある病院だが具体的な名称は伏せておく。
プレゼンテーションの結果、無事受注することができた。
幾度となく打ち合わせを繰り返した結果、
幸いにも担当者と親しくなることができ、追加でこんな相談を持ちかけてきた。
ハード面は確かに整ったのだがソフト面で魅力に欠けるんだ。
いいアイデアをもらえないか?
これは楽しい依頼だ。
入社以来、正直最もワクワクした。
大したお金にはならないことはわかっていたが、僕は胸の高鳴りを抑えられずにいたことを記憶している。
このオーダーに応えるべく、僕は必死で調べた。
しかし、周囲に相談するも、おじさん連中ばかりの僕の部署ではありきたり過ぎるつまらない提案しか出てこない。
wifiの設置や水槽の配置、観葉植物など、
ある程度理解がある病院はとっくに導入しているものばかり。
ううむ。
僕は頭を悩ませる。
そんな中思いついたのがスマートスピーカー
苦悩の末、出てきたのがスマートスピーカーだった。
おばあちゃんのあの使いこなす姿から多くの患者との相性が良いと思った。
例えばこんなメリットがある。
- ニュースを聞いたり、天気を聞いたり、暇の有効活用、話し相手。
- 外国人受け入れの際、翻訳機能を使えば言語の障壁を解消できる。
- ベットから動けない患者でも自分で室内の環境を操作できる。
例えば部屋が暑ければエアコンで室温を上げることもできるし、電気を消すこともできる。またテレビをつけて好きな番組を見ることも、fuluやyoutubeへ接続し映画や動画を見ることも、いつでも自分ひとりでベッドにいたままできる。
- (これは要検討だが)できるだけの患者のスケジュールを入力しておけば、その日何をするのか、あらかじめ把握することができる。意外かもしれないが検査やら何やらで患者は結構、忙しく事前に知っておきたいという人は多い。
- 家族や友人にメールや電話もできる。
- タブレットを置くよりも衛生的。触れないで済む分、雑菌との接触は避けられる。
これだけのメリットがありながら、ネット回線費用は別として、せいぜい2〜3万程度の初期コストのみで済む。
ランニングコストはネット回線と、もし必要ならNetFlix契約分600円〜1500円程度。
病院で絶対トレンドになると確信した。
実際にアマゾンの代表ジェフ・ベゾス氏もこのように言っている。
「ヘルスケアは、機械学習とAIで改善できる産業の1つだ。EchoとAlexaはそこで役割を担うと思う」出典:ITmedia 「Amazon Alexa」は家庭に、職場に、そして病院にも増殖する?
これらの情報をもとに早速提案へ。
道中かなり不安だった。
正直なところ、僕の経験上、
日本の病院とは得てして前例主義で先進的なことには奥手なことが多い。
多分、検討するよと言われ、保留になって終わりだろうな。。。これがありがちなパターン。
しかし僕の予想は大幅に外れる。
提案内容を受けてのまず第一声はこうだ。
これは面白い!!!ぜひ導入まで手伝ってくれ!!
仰天して唾が出た。
そして早速、諸々の打ち合わせを進めることに。
ところが。
いざ打ち合わせが進み始めたところで
最悪な事態が発生。
これは面白いことになる!!と息巻いいていた僕に最悪の天の声が降りてきた。
僕の会社からのストップの指令。
どう交渉しようとも絶対に許可は下りなかった。
理由はこうだ。
新しい発想をするのは良い。これは今後大事になるし、業界に先駆けてやる気概は認める。だが、導入後の管理はどうする。BtoB販売ではないものはサポートもほとんどないし、何か障害が起きたら誰がメンテナンスをするんだ?
お前がいるときは良いかもしれないが、ずっと今の部署にはいない。
社内で全員が出来る訳でもない。
先々を考えると絶対責任問題になるから今回は提案をやめてくれ。
僕は粘り、マニュアルを作るだ、どーたらいったのだが、悲しいことに大企業。
上席の言うことは絶対だった。
こうして僕は夢半ばに提案をストップした。
導入したかったなぁ、、、、
現在でも絶対にトレンドになる確信がある。
アメリカの病院では独自で実験しているところもあると聞く。
ともかく今回の提案は僕の中に新しい病院像ができた瞬間だった。
スマートスピーカーの有効活用は今後のテーマとして考えていこうと思う。
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